近年、副業からフリーランスとして独立する人も増えています。会社の人間関係のしがらみや、時間や場所に縛られないフリーランスの働き方に憧れる人も多いでしょう。フリーランスとして仕事をするにはどうすればよいのでしょうか。
独立してから「こんなはずではなかった」と後悔しないためには、事前にやっておくべきことや、メリットだけでなくデメリットについても知っておくことが大切です。
フリーランスになるために必要なことや注意点などについて解説します。おすすめの働き方も紹介するので、これから目指す人だけでなく、既にフリーランスとして活動している人も最後までご覧ください。
フリーランスになるためにしておくことは?
フリーランスとして独立するにはどのような準備が必要なのでしょうか。ここでは主に3つのポイントについて解説します。
スキルを身に付ける
フリーランスとして独立できるだけのスキルが身についていることが肝心です。スキルが不足していると感じたら、関連する書籍やスクール、Webコンテンツなどを活用してスキルアップを図りましょう。
また、フリーランスとして収入を得るには、仕事を獲得するための営業力も必要になります。スキルの向上と同時に、営業のノウハウも身に付けておくことがおすすめです。
仕事を探す方法を知っておく
仕事を探す方法を知っておきましょう。フリーランスが仕事を得るには、以下のような方法があります。
- クラウドソーシングを活用する:実績がなくても応募できる案件が見つかりやすい
- フリーランス向けエージェントに登録する:登録しておくとスカウトメールが来ることもある
- 前職での人脈を生かす:取引先に独立することを伝えておくと仕事を依頼される可能性もある
- SNSを活用する:人脈を広げて仕事を紹介してもらう
これらの方法を同時に進行させておくことがポイントです。また、いずれの場合も、客観的にスキルを提示できるように、ポートフォリオを作っておくとよいでしょう。
社会保険や税金について調べておく
フリーランスになると、会社員時代には給与から天引きされていた税金や社会保険料を自分で納税することになります。また、社会保険料の切り替えは、自分で手続きしなければなりません。
【税金】
- 所得税:所得(収入から経費を差し引いた額)に対してかかる税金。所得金額によって控除額や税率が異なる。
- 住民税:住所地に対して課税されるもの。都道府県民税と区市町村税をまとめて納税する。
- 個人事業税:年間の事業所得が290万円を超えた場合に課税され、都道府県に納税する。
- 消費税:課税事業者となる場合、納税が必要となる。インボイスに登録せず、基準期間(前々年の1月1日~12月31日)または特定期間(前年の1月1日~6月30日)までの売上高が1,000万円以下の場合は免税事業者となり、納税は不要。
- 固定資産税:毎年1月1日時点で所有している土地や家屋に対して課税される。
【社会保険料】
- 国民健康保険:フリーランスになると、会社で加入していた健康保険から国民健康保険に切り替わる。会社員は保険料を会社と折半だが、国民健康保険の場合、保険料は全額負担。保険料の算出方法や額は自治体によって異なる。
- 介護保険:40歳以上は介護保険料も納める。
- 国民年金:厚生年金から国民年金に切り替わる。保険料は1カ月あたり1万6,520円(2023年度)。
フリーランスになるメリット
フリーランスになると、会社員時代とは働き方が大きく変わります。会社勤めにはないメリットについて見ていきましょう。
勤務時間や場所に縛られない
フリーランスになると、仕事をする時間や場所を含め、全て自分の意思で決められるようになります。例えば、朝が弱い人は昼頃から仕事を始めたり、比較的空いている平日に遊びに行ったりすることも可能です。
会社員はまとまった休日を取るのは難しいものですが、フリーランスになると仕事さえきちんと納期までに間に合わせれば、誰にも気兼ねせずに休めるのもメリットのひとつ。職種によってはパソコン1つでどこでも仕事できるため、旅行を兼ねたワーケーションなどもできます。
得意なスキルを生かせる
自分の得意なスキルを生かした仕事ができることも、フリーランスになるメリットといえます。言い換えれば、自分がやりたい仕事だけできるということです。もちろん、仕事の選り好みばかりしていると収入に結びつきません。
しかし、会社員のように、やりたくない仕事もやらなければならないというストレスは軽減されるでしょう。むしろ、自分の得意な分野に絞って仕事をすることで、スキルアップが望める可能性があります。
定年退職がない
フリーランスには定年という概念がないので、年齢に関係なく働けるというメリットもあります。近年、会社員でも定年を過ぎてから、あらたな就職先で仕事を続ける人が増えています。
しかし、定年を過ぎて新しい職場環境になじまなければならないため、ストレスやプレッシャーを感じる人もいるでしょう。フリーランスは、そもそも職場は自宅という人も多いので、環境の変化などもなく仕事を続けられます。
また、スキルさえあれば何歳からでも新しい仕事にチャレンジできるのもフリーランスの魅力といえるでしょう。
フリーランスになるデメリット
フリーランスという働き方には、メリットだけでなくデメリットも存在します。フリーランスを目指すなら、デメリットについても知っておきましょう。
収入が安定しない
固定給制で働いている会社員の場合、毎月決まった収入を得られます。しかしフリーランスは、毎月の収入が安定しません。例えば、ある月に50万円収入があったからといって、翌月も同じ額を稼げるとは限らないということです。
もちろん、仕事が増えれば収入も増えるため、仕事のやりがいは大きいといえます。しかし、仕事がなくなれば収入がゼロになる可能性もあるので、安定した生活を求める人には難しい働き方かもしれません。
社会的な信頼度で不利になる
フリーランスには定期的な収入がないため、ローンやクレジットなどの審査に通りにくいということが起こりがちです。家や車を購入したいと思っても、住宅ローンや車のローンを組むのが難しかったという人もいます。
また、賃貸契約の際に、安定した収入があることを証明するよう求められたり、自分の住みたい場所に住めなかったりなど、賃貸物件を借りる場合にも苦労するケースがあるようです。
自己管理力が必要
フリーランスは、自分の自由で働く時間や場所を決められる分、自己管理力が求められます。特に、自宅で仕事をしていると、オンとオフの切り替えが難しいため、自分でしっかり意識することが必要です。
請求書や経費の精算など、事務処理も自分でやらなければなりません。また、仕事ができなくなれば収入も途絶えてしまうので、健康面の管理も必要になります。
フリーランスになったらやること
フリーランスになったら、さまざまな手続きをすることになります。また、働きやすい環境を整えることも必要です。
開業届を提出する
開業届とは、フリーランスとして仕事をすることを税務署に届け出るものです。開業届を出さなくても、仕事をすることは可能ですが、確定申告で青色申告を選択したいときは、開業届を出しておく必要があります。
開業届は管轄の税務署に提出します。提出する際に必要な書類は以下の通りです。
- 個人事業の開業・廃業等届出(開業届。税務署で入手するか国税庁のHPからダウンロードする)
- マイナンバーカード(なければマイナンバーが分かる確認書類+本人確認書類)
- 青色申告承認申請書(青色申告する場合)
開業届は、管轄の税務署に直接提出するほか、郵送やオンラインからでも可能です。
確定申告の準備をする
フリーランスとしての事業で利益が出たら、確定申告が必要です。確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。
開業届と一緒に青色申告承認申請書を提出していない場合、確定申告をしようとする年の3月15日(その年の1月16日以後に、新しく事業を開始した場合は、事業開始等の日から2カ月以内)に、青色申告承認申請書を提出しましょう。
なお、事業所得が48万円以下の場合は確定申告する必要はありません。
レンタルオフィスやコワーキングスペースを借りる
フリーランスは自宅でも仕事ができますが、勤務スペースを確保できない場合はレンタルオフィスやコワーキングスペースを借りるのもおすすめです。
カフェや図書館を利用する方法もありますが、集中して仕事をできないことや個人情報漏洩の不安などの観点から、あまりおすすめできません。レンタルオフィスやコワーキングスペースなどを借りておけば、オン・オフのメリハリがつくというメリットもあります。
フリーランスのワークスペース探しにはサーブコープがおすすめ
フリーランス向けのワークスペースを提供しているサーブコープには、国内30カ所、世界に150カ所以上の拠点があるので、自分の好きな場所で働くことが可能です。
レンタルオフィスは、ニーズに合わせて3タイプを提供しており、家具やIT設備が完備されているだけでなく、プライバシーもしっかり守れてセキュリティも万全。クラウド型ネットワークにより、グローバルなITサポートを受けられるのもポイントです。
バイリンガルのレセプショニストや秘書サービスも利用できます。コワーキングスペースは、初期1カ月は無料で保証金もかかりません。継続義務もないので、1カ月間試してみるだけでもOKです。従量制で利用できるオンデマンドのスペースのほか、鍵付きのキャビネットが付いた24時間利用可能な専用デスクもあります。
サーブコープのバーチャルオフィスサービスは、コワーキングとのパッケージプランが用意されているのが魅力です。住所を借りるだけでなく、専用のワークスペースや、専任のレセプショニストによる入電対応サービスなども利用できます。
レンタルオフィスのメリット
レンタルオフィスは、一般的な貸事務所より低コストで専用のオフィスを持てるのが大きなメリットです。デスクやイスなどの設備やインフラも
整っているので、初期費用を抑えられるだけでなく、すぐに事業を始められます。
月々のランニングコストも低く、貸事務所に比べて契約期間の設定にも柔軟に対応してもらえることが多いです。
コワーキングスペースのメリット
コワーキングスペースは、共有スペースを複数の利用者でシェアする形態のことをいいます。仕事に必要なインフラも整っており、低コストで作業スペースを確保したい人におすすめです。
他の利用者とも交流できるため、情報交換や協働などで人脈を広げられるというメリットもあります。
バーチャルオフィスのメリット
バーチャルオフィスとは、物理的なオフィスではなく、法人登記などのために住所を貸し出すサービスです。郵送物などの受け取り・転送サービスや電話・FAXなどを利用できる場合もあります。自宅の住所を使わずに法人登記できるので、プライバシーの保護も可能です。
まとめ|フリーランスで自分らしい働き方をしよう
フリーランスは、場所や時間を選ばず自由に働けるのが魅力です。一方で、スキルや営業力が求められるなど、メリットだけがあるわけではないことも理解しておきましょう。
フリーランスとして働き続けるには、まず顧客に満足してもらえるだけのスキルを身に付けておくことは必須です。仕事を獲得するには、クラウドソーシングやフリーランス向けのエージェントに登録するほか、メディアに直接営業をかけてみるのもよいでしょう。
今回ご紹介したレンタルオフィスやコワーキングスペースなどを上手に活用しながら、自分らしい働き方を見つけてください。