この章ではWebライティングの仕事の手順と報酬モデルについて解説します。全体像を把握し、どのような仕組みで報酬を得ているのか理解しましょう。
前提知識
Webライティングはクライアントワーク(取引先に対して価値を提供する)に該当するため、自分が求めているものを提供するのではなく、クライアントが求めているものを提供する必要があります。
仕事を進めるにあたって、クライアントのニーズから外れた意思は除外しなければいけません。ただしクライアントのニーズにマッチする意思は積極的に主張するようにしましょう。
仕事の手順
Webライティングは以下の手順で仕事を実施します。
ニーズの把握
最初に、クライアントからのニーズを把握します。チャットでのコミュニケーション、もしくはオンラインミーティングでクライアントのニーズを汲み取ります。
クライアントのニーズに応じて、Webサイトの記事やブログ記事、商品説明、ニュースレター、広告、プレスリリースなど、さまざまな種類の記事型コンテンツを作成します。
調査・分析
クライアントの業界、市場、競合状況などの情報を調査し、分析します。これにより、クライアントに対して価値提供をするために必要な情報を収集し、コンテンツを作成するための方針を決定します。
たとえばWebサイトの記事を作成し、検索エンジン経由からアクセスを獲得するのが目的であれば、クライアントに適した検索キーワードを調査・分析し、得られた情報から競合に勝つための記事を作成します。
記事型コンテンツの作成
次に、クライアントからの要件や調査・分析した結果に基づいて、記事型コンテンツを作成します。
各クライアントによって定めているゴールや、ライティングルールが異なるため、制作に取り掛かる前にしっかり確認するようにしましょう。
フィードバックと修正
原稿が完成したら、作成した記事型コンテンツをクライアントに提出します。
クライアントはコンテンツをレビューし、フィードバックや修正を求める場合があります。修正が必要な場合は、クライアントからのフィードバックに従って、コンテンツを改善します。
基本的にはGoogleドキュメントで作成した原稿は、Googleドキュメントの「提案モード」の機能を用いてフィードバックが返ってくるケースが多いです。こちらから修正する際も「提案モード」を使って、修正対応した箇所が相手に適切に伝わるようにしましょう。
納品
修正が完了したコンテンツをクライアントに納品します。クライアントは最終チェックをした後、自社のメディアで記事型コンテンツを公開し、ビジネスに活用します。
クライアントのルールに従って、仕事を終えた対価・報酬を受け取りましょう。
Webライティングの報酬モデル
仕事を終えた対価として、クライアントから報酬を獲得します。クライアントによって報酬の条件は異なるので、しっかり把握しておきましょう。
単価制
- クライアントはライターに対して、一定の単価を支払います。具体的には「記事単価」と「文字単価」の2種類があります
プロジェクト制
- クライアントは、ライターに対して、一定のプロジェクトに対して支払います。この場合、ライターはプロジェクトの総量に基づいた固定報酬を受け取ります。
ロイヤリティ制
- クライアントは、コンテンツが使用された回数に応じてライターに報酬を支払います。この場合、ライターはコンテンツの使用頻度に基づいたロイヤリティ収入を得ることができます。
プラットフォーム制
- ライターは、ライティングプラットフォームに登録し、プラットフォーム上でライティングサービスを提供します。この場合、ライターはプラットフォームに支払われる手数料の一部を受け取ることができます。
初心者からWebライターを始める場合、報酬の形態は「記事単価」「文字単価」のどちらかです。基本的には文字単価になると覚えておきましょう。
文字単価と記事単価
文字単価とは、ライターが作成したコンテンツの1文字あたりの単価を表します。案件の単価が1文字3円、5,000文字の記事を執筆した場合の報酬は15,000円です。
記事単価とは、ライターが作成したコンテンツの1記事あたりの単価を表します。1記事30,000円などあらかじめクライアントによって定められています。文字数が多いからといって単価の変動は基本的にありません。
一般的に、文字単価や記事単価は、以下の要素によって決定します。
難易度
- コンテンツの難易度は、報酬に大きく影響します。高度な知識やスキルが必要な分野のコンテンツや、特定のターゲットに合わせた専門用語を使うコンテンツなどは、報酬が高くなる傾向があります。
納期
- クライアントが納期を急いでいる場合、ライターは時間内にコンテンツを作成するために労働時間が増えることがあります。そのため、短期間でコンテンツを作成する場合は、報酬が高くなる傾向があります。
稼働時間
- ライターが作業に費やす時間も、報酬に大きく影響します。報酬が高い分野の場合、ライターはより多くの時間を費やすことが期待されるため、報酬が高くなる傾向があります。たとえば制作の業務にくわえて、入稿などの業務が発生するとその分の報酬が発生します。
専門性や経験
- ライターの専門性や経験によって、報酬に大きく影響します。経験豊富なライターは、高品質なコンテンツをより短時間で作成できるため、報酬が高くなる傾向があります。また医師や弁護士など、誰でも取れないような高難易度の資格を取得していると、クライアントから価値が非常に高いと判断され、文字単価が大きく変動するケースがあります。
一般的に、文字単価や記事単価は、ライターのスキルや経験、業界の需要などに応じて異なります。また、Webライティングで記事制作を提供する場合は、クライアントとの交渉を通じて、報酬の交渉ができます。
ただしクラウドソーシングなどで仕事を獲得した場合は、あらかじめ報酬が定められているケースが多いため、基本的にはクライアントの指示に従いましょう。単価アップの交渉は、具体的な成果を出してからするのが基本です。